2023.4.23
2023.4.23
Kengo Kajita
前回のエピソードでお伝えした通り、今回は台湾の工房を運営する2人の話を書こうと思います。

台湾工房のプレオープン当日 前列:舜と羽 後列:僕と藤森さん
僕たちの台湾のジュエリー工房は、日本人と台湾人の夫婦が運営しています。
日本人の舜は、KAJITAで数年間働いていました。
真っ直ぐで誠実な人柄と、さわやかな印象から、得意先や社内のスタッフからも好かれる貴重な若手男性営業スタッフでした。趣味の写真撮影スキルを活かして、KAJITAの商品の物撮りもずいぶん沢山やってもらいました。
そんな舜は、KAJITA在籍中に台湾人の羽(ハネ)ちゃんと結婚します。
羽ちゃんも日本のジュエリーブランドで数年間働いていました。同じジュエリー専門学校出身の2人は、いつか一緒に店を持ちたいという夢を持っていました。
羽ちゃんとは、舜の紹介で、3人で渋谷で台湾料理を食べたのが初めての出会いでした。華奢で涼やかな第一印象とは裏腹に、話をしてみると芯の強いところがあって、頼りになる人だなと感じていました。
そしてコロナ禍を東京で過ごすうち、2人は台湾に移り住むことを選びます。
舜が会社を辞めることになり、日本を経つ数週間前に、僕は彼を誘って外苑前の焼鳥屋に行きました。
美味しいおまかせコースを肴に、一緒に働いた思い出話に花を咲かせつつ、酔った勢いもあり、僕は舜に言いました。
「いつか台湾でジュエリービジネスを立ち上げるかもしれないから、その時には手伝ってほしい」
当時は、まだ具体的なビジョンがあったわけではありませんが、数年間一緒にKAJITAで働いてくれた舜との関係がここで終わってしまうのは寂しいという気持ちがありました。
そして再び共に働くチャンスは、意外にも早く訪れたのです。
シンガポール事業を一緒にやっている藤森さんと台湾進出について話すうちに、僕は自然と、舜と羽の2人に手伝ってもらうのがいいのではないか、と提案していました。藤森さんも即座に「それはいいね!」と賛同してくれました。
もともとは、すでに成果が出つつあったKOBOスタイルを台湾に横展開するというアイデアでしたが、せっかく台湾につくるのなら、もっと2人らしい等身大な工房をイチから作ろうと決めました。
藤森さんの東京拠点の職人さんたちの強力なバックアップの元、2人への技術供与と工具買い揃えを進めます。
僕はジュエリー作りの技術指導はまったくできないので、お店のコンセプトやどんな空間であるべきか、いわばお店のソフト面を一緒に考えていきました。

4人で台湾中の物件を見てまわりながらイメージを共有していきました
お店をつくるということは、単に商品やサービスを提供する場をつくるというだけではありません。
その店のロケーション、店内へのアプローチ、自然光や灯り、手触り、匂い、音、五感が体験するすべてをつくることだと思っています。そしてそのお店をそのお店たらしめる最大の要素は、そこにいる「人」です。
表参道のお店は表参道にしか在り得ないし、シンガポールのお店はシンガポールにしか在り得ないし、台湾のお店は台湾にしか在り得ないものにしたいのです。
スケールを追わず、唯一無二の店をつくるこということは、つまり誰と一緒にそのお店をやるのかと同義とも言えるのです。
だからこそ、今回は舜と羽の2人と話し合いながら、2人らしい空間をつくっていきました。

こうして、仮称「舜と羽」は、3/7にソフトローンチしました。
この夏の正式オープンに向けて、着々と準備を進めています。お店の正式名称も近日中に発表する予定です。
ハードとしてのお店は徐々にできつつありますが、ソフトとしてのお店に完成はありません。
舜と羽の2人や我々日本側のチーム、そしてそこに訪れるお客様たちと一緒に、これからどんどん成長させていきたいと考えています。
※追記「舜と羽」は、正式名称「昕室 SUNNY SIDE STUDIO」として2023年6月20日にグランドオープンすることが決定しました!
これは偶然にも今週発売の雑誌「BRUTUS」のキャッチコピーです。
まったく異論はありません。
ぜひ台湾に旅をする際には、僕たちの台中の工房にも足を伸ばしていただけたら嬉しいです。
-KK
*全12エピソードのこのブログも残すところあと1エピソードになりました。引き続きInstagramのDMでも、KAJITA 公式LINEからでも皆様の感想をお聞かせください。ぜひShun_haneのインスタもフォローしてもらえると嬉しいです。
KAJITA Instagram→ kajita_jewellery
昕室 Instagram→xinshi.sunnysidestudio
KAJITA LINEアカウント→KAJITA 公式LINE