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ツーソン出張期 2025  - 太陽と埃の中で

2025.2.13

ツーソン出張期 2025  - 太陽と埃の中で

Kengo Kajita

2月。

2月といえば、節分やバレンタインディなど、いくつかの気が利いた行事がありますが、
カラーストーンをこよなく愛する僕らにとっては、ツーソンジェムショーの月ということに他なりません。

年が明ける頃からソワソワし始めて、
1月下旬には、ツーソンのマインドシェアが一気に高まります。

そんな密かな心のたかぶりを抑えるように、
出発前に社内の仕入れチームで、打ち合わせをしました。

あらゆる出張がそうであるように、
渡航メンバーによる事前の意識の擦り合わせはとても重要です。


過去1年間の仕入れの成果の振り返りや、2024年までの市場環境をおさらいしつつ、

今年のツーソンで、限られた滞在期間をどのように過ごすべきかイメージを広げます。

今回の旅では国際線は成田からLAへ、LAからの国内線はツーソンではなく、フェニックス往復にしました。フェニックスからツーソンへはドライブで1時間30分ほど。

フェニックス行きのフライトを選択したのは、第一に乗り継ぎの都合でした。

フライト検索によれば、
午前9時にロサンゼルス国際空港についても、ツーソン行きに乗るためには、7時間近く空港で待たなければなりませんでした。


フェニックス行きなら2時間半ほど済みます。

長時間フライトで疲弊した身体を抱え、空港で無為に時間を潰してからツーソンに飛ぶよりも、手前のフェニックスでレンタカーを借りて、お気に入りの音楽でも聴きながら、I-10を南下するのは悪くない考えだと思ったのです。

また、今回は滞在期間を、
日曜日発の日曜日帰りの7泊8日としました。
これは普段のツーソン出張よりも2泊ほど長い旅程になります。

メンバーの中には子育て中の者もいれば、70代のベテランもいます。


家庭の事情や体力的な観点から、これまで長期出張は手放しで大歓迎ではありませんでした。

また、円安かつ超物価高のアメリカでの滞在日数を増やすことは、コストの観点では、かなりの経費負担増になるのは自明でした。

それでも僕は、今回は人や滞在日数を減らすより、むしろ最大化して挑むべきだと強く思っていました。

2025年は日本国内や香港での、宝石の仕入れがますます難しくなるだろうという予感があったからです。

中国で長引く不景気とドナルド・トランプ大統領新政権のアメリカの政策によって、
世界の宝石の流動性が停滞しつつあるのではと感じています。

おそらく日本では日本の市場で好まれる宝石ばかりが流通し、国際的に価値を認められた宝石が少しずつ手に入りにくくなると予測しました。

もちろん出口の見えない円安も無関係ではありません。

だとしたら、このツーソンショーは、
今年の仕入れの場としては、
ほとんど唯一にして最大のチャンスだと思ったのです。

いつ状況が変化するかは誰にもわかりませんが、今回のツーソンへの旅を構想する上では、そんな風に考えていました。

先の見えない市場環境だからこそ、
人と時間を集中投下して、他にはないKAJITAらしい宝石を見つけ出して、
日本に持ち帰ってくるのだ。


そんな使命感に胸を膨らませていました。

新しい大統領の元、入国審査が厳しくなるのではないかと身構えていましたが、
思いの外あっけなく入国スタンプが押され、
国内線の乗り継ぎも、フェニックスでのレンタカーもスムーズで、
無事に今回の宿、airbnbにチェックインすることができました。

宿は昨年と同じairbnb

翌日の朝、AGTAGJXという2つの会場で来場者パスを発行してもらいます。

その時に「いつもよりちょっと人気が少ないかな?」と感じました。

実際に会場の中で宝石探しをしていると、その感覚は確信に変わりました。

顔馴染みの出展者と話していても、全体的にレギュラーバイヤーが少ないという声が聞こえました。それでも取引数や金額は悪くないとのことで、会場に来た人は、しっかりと仕入れをしているんだという印象を持ちました。

僕たちも時間を無駄にすることなく、文字通り朝から晩まで会場を駆け回る4日間を過ごしました。

ランチは毎日、駐車場で食べる手作りサンドイッチ

じっくり丸4日間かけて見つけた宝石の中には、

数年来探し求めていたものもありました。

今回初めて仕入れたある宝石、の原石。初めてみました。

僕たちの仕事は、

仕入れた宝石のひとつひとつと向き合い、デザイナーや職人と話し合いながら構想を深め、

お客様が身につけることのできる装身具に仕立てて、価値を高めていくことです。

カラーストーンを扱うジュエラーは、
スピード重視・タイパ重視が高度に効率化された世界において、
その真逆の信念を持ち続けるべきだと考えています。

時間そのものが付加価値を生み出す仕事、それは、たとえばワインのように、
年月を重ねるほどに価値が高まっていくことを信じる仕事とも言えます。

そのことを念頭において、

宝石の持つ時代を超えた本質的な魅力を引き出せるように向き合っていこうと思います。

フェア4日間を終えた移動日に、ツーソンからフェニックスに向かう途中、
この機会も一期一会と思いsaguaro national parkに足を延ばしました。

サグロ国立公園にて、サボテンに比して人間たちはあまりに小さかった

自分と同じ身長のサボテンを探す遊び

アリゾナの決して肥沃とは言えない土壌でけなげに生育するサボテン。

人間の寿命を超えて150年生きることもあるという、この乾いた植物たちは、
群生しながらも、それぞれが意思を持って自立しているようにも見えました。

世界がどんなに過酷な環境であろうと、誰に責任を転嫁するわけでもなく、
「俺たちはやるべきことをやっている」というようなクールでドライな姿は、
不透明な未来を前に、立ち止まってしまいそうになる僕たちを
静かに勇気づけてくれているようでした。

-KK


今回のツーソン出張で仕入れた宝石は、KAJITAの公式インスタグラムで
少しずつご紹介していけたらと考えています。

*ブログの感想、励みになります。InstagramのDMでも、KAJITA 公式LINEからでも皆様の感想をお聞かせください。

Instagram→ kajita_jewellery

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