2023.5.8
2023.5.8
Kengo Kajita
2023年のゴールデンウィークも明け、新型コロナウィルスも2類から5類へと分類が変わりました。大型連休中には、沢山の外国人旅行者を街で見かけました。
KAJITA本社からほど近い渋谷の立ち飲み屋や駅近ホテル、道玄坂のユニクロやGU、あるいは映画館など、3年前にパンデミックの打撃を受けた「飲食・旅行・アパレル・興行」業が賑わっているのを目の当たりにして、あらためて、東京はアジア随一のエンタメ都市という感覚を持ちました。
様々なジャンルの観光客を楽しませる東京。僕がもし外国人なら、初めての東京旅行は、間違いなく大興奮で楽しいだろうなと思います。
さて、今年の2月にスタートした社長ブログですが、これまで4つの街についての文章を書いてきました。
これら11のエピソードは、僕が2023年前半に出かけた海外出張についての、記録/記憶をまとめたものです。海外の街に実際に足を運び、その土地で商売や生活を営む人たちに触れて、感じることが多々ありました。
出張記を書きながら、実は博報堂生活総合研究所が上梓したプロジェクトレポート「CITY BY ALL 生きる場所を共につくる」のことがいつも頭にありました。

このレポートを執筆した鷲尾和彦さんは前職の先輩です。新卒配属された数日後に、クライアントに一緒に出かけることになり、その道すがら有楽町線の中で、部署を超えて初めて仲良くなった年上の友人のひとりでした。
僕の退職後も、プロカメラマンでもある鷲尾さんの写真展に足を運ぶなどして、関係が続いていました。
2021年のレポート刊行時に、鷲尾さんは僕の元にこの冊子を送ってくださいました。なにか僕の仕事のヒントになると思ってくれたのかもしれません。その後、僕は鷲尾さんを誘って上野の美術館にイサムノグチ「発見の道」展を一緒に観にいき、上野公園で日が暮れるまで語り合ったりもしました。

東京都美術館「イサムノグチ 発見の道」展 2021.6.11
このレポートには、「生きる場所を共につくる時代へ」というフレーズのもと、バルセロナやリバプール、遠野や神山といった都市・街が、いかにして生活者と共に、その在り様を「シフト」しているかという事例が掲載されています。
レポートの中で、鷲尾さんは「チェンジ」ではなく「シフト」の戦略をとることがこれからの社会に適応するための鍵だと述べています。つまり変化、転換、別軸を与えるのではなく、過去・現在・未来が地続きのものだと捉えて、不変のものを見極めながら、新しい状況を目指していくこと、である、と。
この考え方は、僕が現在シンガポールで取り組んでいる事業、そして新たにスタートした台中での工房オープンの際、大きな拠り所になりました。
すでにそこにあるものとの共存や、その街に溶け込むことは、僕たちが新しい場を立ち上げるときにいつも念頭に置いていることでした。新しい場づくりの中で、人を中心に据え、学びながら、街とインタラクションを起こしながら、ともに育っていくこと。このレポートの中で、実践されている都市のサンプルを何度も読み返して、自分たちの取り組みとの共振を感じることは、僕の行動の背中を何度も何度も押してくれました。
特に僕が感銘を受けた、本レポートのエピローグの文書をここに紹介します。
風景をみる LOOK AT SCENERY
生活圏とは、私たちがともに暮らしを営む場所であり、私たちの創造性を活かし合う環境です。私たちは誰もが生活圏と有機的に結びつき、どちらも切り離して存在することはできません。
目の前に広がる風景をよく見ることを通して、生活圏をつくる法則を見つけ出す。それは、私たちがともに生きていくための知恵を見つけ出すことなのです。
こちらのリンクからレポート全文を読むことができます。PDF版 「CITY BY ALL 生きる場所を共につくる」
様々な街への出張を通じて、僕は風景を見て、その街をつくる法則を見つけ出そうとしてきました。その景色や心象を捉えて文章に落とし込むことを心がけてきました。
もしこの11つのエピソードを読んだあなたが、どこかの街の風景を見に行きたい、旅に出たい、と少しでも心を動かされたなら、とても嬉しいです。
さて、出張記をベースにした社長ブログ 全12エピソードはここで一旦おしまいです。毎週、MacBookを抱えて、外出先やカフェや自宅で、旅先で感じたことと向き合ってキーパンチをする時間は、とても有意義でした。
今月はいよいよKAJITAの表参道ジュエリーサロンのリニューアルオープンが控えていて新しい章の始まりを感じています。このブログのシーズン2も、どこかで始まるかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。
ここまで読んで下さって本当にありがとうございました。
-KK